Cityかまがや104号    『小金中野牧と縄文人』21    絵・サリーちゃん 文・鉄人28号  

 このところ、地上波TVの時代劇が激減している。去年の12月、長い間月曜8時の時代劇として親しまれてきた「水戸黄門」が最終放送され、42年の歴史に幕を閉じるという出来事は象徴的である。
 最近では時代劇専門チャンネルも登場して、二十歳代から親しんでいる池波正太郎氏の作品など、魅力あふれる番組を放映している。  だが、諸々の理由から衛星放送を利用できない我が家においては、これは由々しき事態となっている。  特に、秋の深まりとともに、ビールから日本酒へと衣替えをするこの時季には、江戸情緒を淡く、あるいは濃厚に漂わせる本格的な時代劇が、ぴたりと合うのである。
 「鬼平犯科帳」、「銭形平次捕物控」といった捕物帖ものや、「御宿かわせみ」、「大岡越前」などの市井(奉行)もの、「剣客商売」に代表される武芸者ものなど、書き上げたらきりがない。  なかでも、将軍もの時代劇を一つ挙げろと言えば、「暴れん坊将軍」をおいて他にはないであろう。  毎回、番組の冒頭、パカッパカッという馬蹄の効果音とともに、白馬に跨って八代将軍徳川吉宗が颯爽と登場するアノ番組である。

 さて、その白馬であるが、間違いなく大型の外来馬である。  番組制作において時代考証を厳格に行なうのであれば、在来馬を使用すべきではある。けれども、以前触れたように、在来馬は希少となり確保が困難であること、また、俳優の体格も当然ながら江戸時代の人よりも大きくなっている。  松平健さんには白馬のサラブレッドの組み合わせでなければ、映像的に人と馬のバランスを欠くのである。しかし、これは一般論。  実は、吉宗はペルシヤ馬を28匹購入し、オランダ人馬術師を招聘して洋式馬術を自らの御馬預りである斉藤氏に伝授させている。  吉宗の乗用馬が大型の外来馬であった可能性は、否定しきれないのである。さらに、将軍在位当時、彼は鎌ケ谷市域を訪れていた、という史実が幕府の公式文書から窺えるのである。以下次号。