Cityかまがや 106号

鎌ケ谷の自然を訪ねて 105

手賀沼へと通じる、谷のはじまりを歩く   写真と文 秋山秀一(旅行作家・大学教授・旅楽舎代表)

▲駅の近くにある市民の憩いの場、新鎌ふれあい公園  「これも3月につけたんです」 「立体写真っていうの?」 「3Dポスターです」 「子どものときあったよね」 「あれと同じです」
 今回の集合場所は新鎌ケ谷駅改札口前。東京から参加のお馴染みHさん、《かまたん》の2枚の3Dポスターを発見して、大喜び。  触ってみて、「あっ、平らだ」「揺れたら、動きますね」。
 で、真似してやってみた。左側のポスターに向かって、左右に動くと、風船も動く。ウッシッシだ。
 今回のメインの狙いは、手賀沼へと通じる谷の始まりを探り、歩くこと。その前に、新しく引かれた東経140度線を見てから、ということで駅前広場に出る。Hさん、そして、今回も一緒に歩くMさん、二人そろって、鎌ケ谷市観光案内図の前で、ストップ。
▲東経140度線に立って  それを見て、「あの中にカビーが隠れているんです」と、Kさん。
 それを聞いて、もう、《ウオーリーを探せ》の世界に…。  「全部で8体見つけた」と、Hさんが言ったところで、今回は初参加の、もう一人のKさんも一緒に、5人でまち歩きを楽しむことに。
「これは今年の3月末に引いたものです」という140度線に沿って、新鎌ケ谷ふれあい公園まで歩く。多目的広場、その向こうに、子ども向け広場がある。140度線上に、街灯が立っている。
 これすごい偶然なんです」 とKさん。では、と、皆さんに並んでもらって、記念の写真を撮る。 「市民の人で、『140度線の近くだと思うんですけど、家のところを通っていますか?』って聞いてくる人もいるんです」と、Kさん。  ということは、それだけ、気になっているということ。いい話だ。  この辺りで標高30m弱、気もちの良い風が吹き抜ける。
 子どもたちの姿を見て、「今度孫連れてこようかな」と、Mさん。  ちょっとした標高の差、曲がった道、公園内の遊歩道も、いい感じだ。140度線も真っ直ぐには見えない。それが、また、いい。
 東武鉄道の線路を越えて、西へ、下っていく。ここからは降った雨も、手賀沼へ通じる川へと流れていく。突き当たったところで、道は左へも右へも下り坂になる。
 左に行くと、左手に、谷を埋めて盛った土を支えるための人工的なコンクリートの壁が続く。その高さのちがいが、そのまま、元々あった谷の深さを表している。この先に、今は古い地図でしか確認できないが、一次の谷の始まりがあったのだ。だが、今でも、道の右手に、その谷のつながりの低地が、畑となって残っている。
 今、土地の高低差や川、谷やくぼ地の跡など、昔の地形に注目して都内を歩く人が増えている。 「地形歩き」の熱心なファンもいて、研究書とはちがった楽しいまち歩きの本が何冊も書店に並ぶ。
 そんな人には、是非とも鎌ケ谷に来てほしいと思う。だって、鎌ケ谷では、痕跡ではなく、実際にその地形を見ながら、まち歩きを楽しむことができるのだから。  これも、鎌ケ谷の大きな魅力のひとつなのである。 自然の、今のこの姿を、こうして歩いて、記録に残すこと。これって、結構意義のあることなんだよな〜。
 鎌ケ谷の地形の概観を知るために、市役所の屋上から眺める、これも、オススメ。  谷の対岸、左岸を下って行き、入道溜の交差点まで歩く。大津川を覗き、その流れを見て、「結構きれいですね」と、Hさんが言った。
▲畑になった谷の左岸に沿って歩く