Cityかまがや107号

鎌ケ谷の自然を訪ねて 106 
暑い夏の日、歩け、歩け、川に沿って、歩くと…。     写真と文 秋山秀一

「ゴボウの花って、アザミとよく似てます。感覚的には、ね」

 道端に咲く花を見てそう言ったのは、鎌ケ谷に暮らすMさん。

「ニンニクの花って、ネギボウズをもっと大きくした感じです。咲かしたんですよ。咲くまでほったらかしにしたんですよ」

 それを聞いて、 

「白い花ですか」

 と言ったのは、東京からやってきた、おなじみのHさん。

「いや、ピンクに紫がかった…」

 今回は、身近な旅をこよなく愛す、旅楽舎の仲間たち3人での鎌ケ谷まち歩き。こんな会話を楽しみながら新鎌ケ谷駅から、幸豊苑下の交差点まで歩く。

 7月中旬の暑い日。3ヶ月ぶりの鎌ケ谷、まち歩きである。

「今回は川に沿って、前回の先を歩いてみよう」

 ということで、まずは入道溜へ。

 途中、梨直売「水車園」の看板を発見すると、

「この辺りに、昔、水車があったのかもね」

 と、誰ともなく。

 地形からみても、ここに水車があったとしても不思議ではない。行き当たりばったりのまち歩き、これが、楽しいんだな〜。

 大津川を覗き込む、Mさん、

「この辺はきれいな金魚草が生えてますね」

「オー、シオカラトンボが川の上飛んでいる」

 ムギワラトンボもいる。

「ここから先は、川に沿っては歩けないですね」

 となったら、グルッと迂回して、車道を行く。

 コミュニティバスの第三中学校バス停のそばに、小さな鳥居があった。せっかくだからと、鳥居をくぐって、道端の小さな弁財天を、それぞれ、思い思いに、観察してから、水の流れを探す。

「川が消えちゃいましたね」

「あった、あった」

「ここで直角に曲がってますね」

 平成2年製作の「鎌ケ谷市河川流域図」に、大津川が、第三中学校のところで校地の西側に沿うように、流路変更して直角に曲がっていたのを見ていたので、「これか」、と納得。

 なるべく流れに沿って歩きたいと思いながらも、そう簡単にいかないのが、この辺りの自然。

 畑の中を歩き、こんもりとした森の中を歩き…。

「歩け、歩け。平素から歩け。歩くことの功徳は、いまにはじまったことではない。勝海舟は、とにかく歩く男であった。馬にも乗らず、もちろん、駕籠にも乗らず、江戸の街を歩き回った」

 と、城山三郎も、『打たれ強く生きる』の中に、《歩け歩け》と書いている。

「歩くことは、いいことなのだ。心にも、身体にも、いいことなのだ」

 そうなのだ、と、念じて、歩く。

 あてずっぽうに歩く。それでいい。暑い。が、林の中に入ると、静かで、涼しい。この涼しさは、都会では味わえないもの。まるで、コローの絵のような…、そんな素敵な林の中を歩く。

「川無くなっちゃった。あの線路の下流れてるんじゃない」

 など、わいわい言いながら歩いていると、大津川に合流…。

 車道に出て、粟野十字路を右折して歩いていると、道端に、石碑を発見。興奮気味のHさん、Mさん。明治三十九年と刻まれた「日清 日露 軍馬観世音菩薩」がある。昭和十五年に建てられた「出征軍馬英霊の碑」もある。これも、鎌ケ谷、なのだ。

(旅行作家・大学教授・旅楽舎代表)