Cityかまがや108号 

文化の違いに迷う私        ディヌ バズラチャルヤ


 私は人生の三分の一を日本で過しています。そして無事日本で出産の経験をしました。

 ネパールと日本の乳児の育て方は遥かに違います。日本では赤ちゃんを毎日お風呂に入れる習慣がありますがネパールでは、お風呂に入れる習慣はありません。赤ちゃんが風邪を引いてしまうという心配で、一ヶ月に一〜二度しかお風呂に入れません。その代わり赤ちゃんの発育と体を丈夫するために、温かいマスタード油で毎日二回、朝夕マッサージします。両国とも目的は同じで、日本の沐浴とネパールの油マッサージの文化は子供の成長のためです。それで私は今、赤ちゃんを朝お風呂に入れて、夜油マッサージをするようにしています。
 出産後は母親も体力を回復するため、油マッサージをし、できる限り水にあまり触れないようにします。しかし、私は日本の暑い日々に温かい油マッサージをすることは無理でした。更にお風呂やシャワーをせずにいられない状態でした。毎日、母国の母に言われたけど仕方ないとしかいえませんでした。
 一番迷ったのは食事制限です。日本では出産後、食事に対して食べてはいけないものは特にない。しかし、ネパールでは食べ物に色々制限があります。母乳をあげているときは、辛いもの、しょっぱいもの、冷たいもの、果物などを食べてはいけない。出産後、最初の2ヶ月間、せめて食べて良いものは白いご飯、肉、と甘いものだけでした。逆に油っぽい食べ物はよいという。特にご飯と砂糖きびで作られたすごく甘い料理(出産後母親だけが食べるもの)を食べます。それはやはり母乳をいっぱい出すためです。
 日本では、出産前後体重コントロールするように食事に注意しますが、ネパールでは体重を増やすために、カロリーの高い食事でエネルギーを充分に保ち、体を丈夫にするという考えです。またネパールでは季節に関係なく、出産後体を暖かくするため、太陽の下で体を温めながら油でマッサージをして、肌を出さないような服装をします。
 このような様々な文化は日本では考えられないことと思います。でもこれらはすべて、身体をいたわることだと思います。ですから私は両国の文化をバランスよく取り入れて、元気に子育てを続けていきたいと思っています。 (亜細亜大学大学院生)