Cityかまがや連載エッセイ61 気まぐれティータイム

「朗読」             江上真悟 (俳優) http://ameblo.jp/egamax/  

 西新宿カルチャープラザにて「声のトレーニング」という講座を受け持っています。レッスン内容は朗読が中心です。ここ最近朗読ブームのような感もありますが、今回受講生たちの希望により朗読公演が実現しました。作品選びから構成・演出を担当。作品は寺山修司のメルヘン、井上ひさしの群読、そして最後は「最初の質問」(長田弘作)と「たいせつなこと」(マーガレット・ワイズ・ブラウン作)。この2冊の絵本は「当たり前の大事さ」を教えてくれます。是非一読してみて下さい。稽古中、政治家たちに読ませたいと思ったりもして……(笑)
 「最初の質問」の一節を抜粋してみます。

今日、あなたは空を見上げましたか。  
空は遠かったですか、近かったですか。
 
何歳のときのじぶんが好きですか。  
上手に歳をとることができるとおもいますか。世界という言葉で、まずおもいえがく風景はどんな風景ですか。

いまあなたがいる場所で、耳を澄ますと、
何が聴こえますか。  沈黙はどんな音がしますか。  
じっと目をつぶる。  
すると、何が見えてきますか。  

あなたにとって、あるいはあなたの知らない人びと、あなたの知らない人びとにとって、幸福って何だと思いますか。  

時代は言葉をないがしろにしている――  
あなたは言葉を信じていますか。

 便利なモノに囲まれて、道でも車内でも下を向いて指を動かしている時代ですが、受講生たちの朗読は大きな感動を与えてくれました。あなたは心と体を使い切っていますか。