Cityかまがや112号  連載エッセイ65

気まぐれティータイム   「俳優ーその歩み」       江上真悟(俳優) http://ameblo.jp/egamax/

 『芸能界と金儲けに美味しい話しはない。近道もなければ、保証もない。そんな覚悟を持って歩むしかない。腹をくくって、地に足つけて…。その歩みをどこまで続けていけるか…。諦めなければ続けていける。焦りは禁物。焦りは目先のものに目を向けてしまう。この道に短期決戦はない。続けていくということは、そんな生き方を選択したということ。続けていけば出会いがある。出会いはまた次の出会いを生む。それは続けていくキッカケともなる。その歩みの中で自分で作っていく自分。貪欲に心と体を使い切って…。その繰り返し…その積み重ね…。色々な自分を噛みしめ……色々な自分を味わい…。沢山の自分を体感したエネルギーは強い。自分とどう向き合うのか…。自分とどう付き合うのか…。一生付き合っていくのは自分自身。自分自身は自分次第。俳優の道は自分作りの歩みである。そしていつの日か運は運ばれてくる…』

――なんて偉そうな内容から始まりましたが、俳優に関するメッセージの依頼が来た際に綴った文章です。ある方から言われました。「これは俳優のみならず、他の職業にも当てはまる内容ですね」

 専門学校の最初の授業でこんな質問をしました。「もし生まれてきた時に、先のことが分かる人生と分からない人生を選択できたとしたら、どちらを選ぶ?」殆どの生徒は「分からない人生」を選んでいました。理由は先のことが分からないから面白い。(予想通りです) それがやがて「役者を辞めようと思っています」「どうして?」「先のことが分からないので不安なんです」「あれ、先のことが分からないから面白いんじゃなかったの?」(お茶目なツッコミを入れる僕)

 この世界に入って36年が経ちました。ある日の授業で言いました。「僕は続けてきたんじゃないよ。辞めなかっただけ」安定も保証もない生き方を選択したのかもしれません。