Cityかまがや113号 インタビュー

老人憩の家「さろんはっぴー」を開設   山田八重子さん

笑いあえる居場所を!

ぷろふぃーる 山田八重子 (やまだ・やえこ) 福島県飯館村生まれ。実母は6歳、父は15歳の時他界。母の実家で祖母に育てられる。郵便局団体集金係25年。ヘルパー歴13年、また55歳からは鎌ケ谷保育園で5年働き、その後学童保育で5年働く。

「さろんはっぴー」 ・火曜日休み
・協 力 金   1日200円(10時~18時)
・持ち込み自由
・場  所 鎌ケ谷市鎌ケ谷3-7-12

■ 「サロン和(なごみ)」に感動 ■


―市内六つ目の「老人憩の家」ということですが、きっかけは?  母の介護をしていまして、自分自身が疲れた体と心を癒したくて以前Cityかまがやで紹介されていた相沢さんの「サロン和」にお邪魔して、会員になって麻雀などを楽しんでいました。  シルバー世代の皆さんが、生き生きと将棋や麻雀などをしながら、楽しい会話をされている姿を見て感激致しました。昔から私が描いていた心地よい空間がそこにはあったのです。  ところが、家庭の事情で「和」を閉鎖するっていうので、すごく残念で、もちろん相沢さんにも相談いたしました。素敵な「笑顔」で会員さんをお迎えしていた先輩を見習って、遊びにいらした皆さんが、笑顔で過ごせる場所づくりをしたいと思いました。
―「和」は25年11月閉店ですから、そのあと一年あまりでの準備期間では忙しかったでしょうね。  30年来の友人らに相談。60歳を過ぎて元気なうちにと思いますから、即決で決めました。友人3人とのスタートですから心強かったです。それぞれの特技を生かしながら、手分けして、日々の作業をしております。
―立派な一軒家ですが。  やると決めてから探しました。リフォームして。壁は薄いピンク色なんですよ。顔色がきれいに見えるというので、ピンクにしたのですが、どうでしょう。
―外壁は中よりは少し濃いピンクですね。かわいらしい感じで、初めての人にもわかりやすいです。
 歩いて通える人か、自転車で来られる距離の方を想定していますので、駐車場がないのです。
―どんな方が利用していますか。  「和」や社会福祉センターで麻雀をやっていた方がたくさん来ておられます。お弁当持ってきて、一日遊んでいただいてます。将棋の相手がいないときは利用者さんが携帯電話で友達を呼びだしてくれたり、ここで使うテーブル、ソファー、ポット、時計、絵など備品も皆さんの持ち寄ってくださったものが多いんです。  またシルバー世代の女子会を発足させていて、楽しいおしゃべり会をしております。折り紙サークルで使っていただきましたが、サークル活動や団体で利用していただくのもよいと思っています。1階が14帖と10帖。2階は6帖が3室あります。まだまだ2階は余裕があります。

■ 母の後押しで踏み出す ■


―「はっぴー」と名付けたのは?
 私犬が好きで、犬の名前から取りました。この犬は2011年東日本大震災の年に生まれました。真っ白でクリクリ目玉の、見て触って温かな気持ちになれるトイプードルです。周りの者が皆ハッピーな気持ちになれるようにと願いを込めました。
―そういえば福島県飯館村出身だそうですが、震災時ご親戚の方々はいかがでしたか?  飯館村は今も住めない場所で、お墓参りだけは許されています。妹は浪江町に自宅があり、老人ホームでヘルパーとして働いていました。当時入居者60人をまとめて受け入れてくれる施設がなく、全国各地にばらばらになりました。  妹とは電話も通じず、しばらくはどこにいるかわかりませんでした。ある時NHKテレビに映っている妹を見つけ、NHKに電話して、新潟だということがわかりました。  妹に聞くと余震がひどくて、車はダメ、仕事上個人の都合だけでは動けず大変だったようです。今日の最後の新潟行きの避難バスだよと言われてバス停に行ったら、偶然旦那さんと会えたそうです。  妹の髪が真っ白になってしまったのには驚きました。ドラマみたいなことが本当に起こるんですね。
―山田さんもヘルパーとして働いた経験があるのですね。  はい。13年前、養母が脳こうそくで右手、下半身まひの身体障害1級に。介護が必要になったのです。その頃鎌ケ谷にヘルパーの資格を取って介護すれば、お金が出るという制度があって、市のヘルパー講座を受講。資格を取りました。ところが資格を取った時には、お金が出る制度はなくなっていました。残念でしたが、ここで勉強したことは本当に役立ちました。自宅介護のかたわら、ヘルパー経験を積むことができました。  そんな母も慈祐苑にはいれまして「私のことはもういいから、自分の好きなことをやりなさい」と後押ししてくれました。おかげで一歩踏み出すことができました。

*    *   *  とにかく明るい。「私、口だけ」というだけあって、話が尽きない。利用者さんの話し相手はわたしの担当というだけに、次々おしゃべりが続く。一度でもいらしたことのある方には、電話をかけ、声がけをさせていただいていますという。山田さんにとってはそれが苦ではない。誰とでも明るく接することができる人なのだ。人見知りなんてことはないんだろうなあと妙に感心してしまう。  一人暮らしで誰とも口をきかない日のある方、お気軽にぜひどうぞ。「はっぴー」の玄関ドアはいつでも開いています。散歩のついでに寄ってみませんか?あなたのちょっと退屈な人生に日が射すかもしれませんよ。麻雀できなくても、将棋できなくてもいいんです。話をするだけで楽しくなれますよ。