Cityかまがや115号

■特集■ 受け継がれる伝統文化  東葛印旛大師巡拝(送り大師)って何?

「東葛印旛大師講」とは送り大師ともいわれ、毎年5月1日から5日まで5日間をかけて、四国88ヶ所の霊場に模して東葛地区の札所や掛所を弘法大師の木像を笈に納め「ショイコ」が背負い、般若心経等を唱えながら巡る行事である。  各地に大師組合が組織されており、毎年当番で巡拝が行われている。お寺主導というより住民主導で開催されているようだ。  5月4日には軽井沢自治会館で中食(昼食)をとるということで、取材に出かけた。

☆今年度行程  総距離約80㎞、  延べ参加人数3000人余  今年平成27年度は逆井大師組合が当番で、5月1日逆井の観音寺で出発式を行い、5月5日最終日には再び観音寺に戻り、華やかな結願式を執り行った。  かっては全行程を歩き、各地に泊まったが、現在は毎日自宅に帰り再び翌日出直す。また一日だけの参加という人もいる。マイクロバスや自家用車で、当日札所に集まるのだ。  今年は5月1日660人、2日515人、3日516人、4日523人、5日791人の参加者が予定されていた。  運ばれたお大師様は昔同様各札所に泊る。そして結願式後翌年の当番地区の金ケ作大師組合にお大師様は引き継がれた。


☆集まった人々
 四国の霊場をまわったという人たちの白い行衣には赤い朱印が押されており、まるで模様のようだ。「ばあちゃんが使っていたのをもらって着てます。ほんとはいけないらしいですけどね」「これは四国で買ってきた」などと札バサミやズダ袋を見せてくれるおじさん。前にも後ろにもいろんなものがついている。ちなみに肩から下げているズダ袋には「霊場巡拝」とか「同行二人」などと書かれており、弘法大師と2人という意味である。  昔はお米3合とお金5銭でそれぞれの地域の資産家の家に泊めてもらった。翌日おにぎりを持たせてくれてね。多い家は20人くらい泊めてくれたという古老の話。  大師堂の前で僧侶をはじめ全員であげるお経の声がこだまする。参加者は高齢者が多いが、般若心経を諳んじている小学生もいた。

▲5月4日 鎌ケ谷市軽井沢薬師堂(自治会館)前、100人ほどの行列 ▲「ショイコ」が紫の布に包んだお大師様を背負う
▲大師堂に向かって読経 ▲自治会館隣にある大師堂
▲軽井沢自治会館(左)と薬師堂。薬師堂内の毘沙門天像は安政7年に造られたもの ▲行列が到着すると薬師堂にお大師様を安置
▲菅笠、金棒、腕には数珠、ズダ袋に鈴をつけて ▲こんなスタイルで毎年参加しています


☆今年開講207年
 
鎌ケ谷市史によると文化年間に高柳村(現在柏市)の大久保氏を中心に創立されたといわれる。人が集まる華やかなものが禁止された頃、送り大師も禁止され途絶えた時期もあったが、慶応2年(1866)には復活した。

▲マイクロバスで駆けつけた逆井大師組合の皆さん
▲茶菓の接待をうけて
▲読経の後はおしゃらく踊りの披露→その後中食

鎌ケ谷の札所・掛所
 
札所は柏市69(旧沼南町に53)、白井市10、松戸市5、鎌ケ谷市4、鎌ケ谷市の掛け所は現在2か所。

5月4日鎌ヶ谷市内コース
柏市高柳 高野堂 ➡   

(41番札所)  佐津間宝泉院
▲大師堂の横にちょっと変わった現代風のモニュメント。四国霊場の名が刻まれている →
(16番札所)  軽井沢薬師堂(自治会館)
▲大師堂の中
(掛所)  中村善並大師
▲体育館前の広い道路沿い。お堂はなく、南無大師遍照金剛の石碑、この日紅白幕がかかっていた。鎌ケ谷には掛所1ヶ所といわれるが、今年の88ヶ所霊場巡拝資料にはここも掛所と記載されている
(10番札所)  粟野千寿坊(青年館
▲粟野交差点を南に行き、船取線をちょっと東の細道に入った所。お堂はきれいに守られている
(12番札所)  初富稲荷神社
▲境内の左側に扁額がかかった大師堂。壊れかけたお堂もあり気になる、像もむき出しだ。霊場巡拝記念碑が並ぶ
(掛所) 一文字大師堂 ▲くぬぎ山5-10。元山駅の踏切手前、字名が一文字、道路に囲まれた三角形の地に。扁額もかかっていた















↓松戸市六実 高靇神社へ

☆5月5日 逆井地区 観音寺《練り込み》10:45~11:45
 少し手前の冨士浅間神社から約1時間かけて、露払い、法螺貝師、万灯、お面を付けた人、鈴を鳴らす人、金棒つき、稚児の親子、僧侶、先達(住職)、大師像の背負子、本部役員、各地区世話人、組合員等何百人もの行列が続く。

▲境内ではだるまやさん、焼きそば、大判焼き… ▲逆井囃子

☆5月5日 観音寺《結願式》 12:00   行列は門を入り本堂に向かい結願式

▲大塔婆(白幕で覆われている) 除幕すると右の写真 ▲「南無遍照金剛」の文字
▲リボンに触ると幸せになれるときいて人々はこぞって触る ▲鎌ケ谷の皆さんも観音寺へ。