Cityかまがや121号(2017春号) 30周年アーカイブ⓶

人々の日常を取材し発信し続けて30年。今読み返してみると、当時の古老の話や活動は、普通の人が普通にどう生きたかを知る手がかりとなり、鎌ケ谷の素晴らしい歴史となって甦ってくる。今回は6号を一部転載します。

6号 1988年春号より そぞろある記⑥
ーわが街ー  鎌ケ谷ライフタウン

 住めば都の風が吹く。  大仏から木下街道を歩いて、魚文の碑の少し手前を右に入ると、急に街道の喧騒が消えて静かな住宅街になる。これがわが街鎌ケ谷ライフタウンだ。

 ここは東南北の三方を船橋と白井に囲まれた東鎌ケ谷で、つい5、6年前迄は茫々たる葦原だったらしいが、今やほとんど空地を埋めて、約300戸の整然と区画された団地になった。西から東に伸びるメーンストリートの両側には、2階建の戸建て住宅が見渡す限り並んで立つ。どの家も玄関回りに花鉢を飾り、好みの庭木を植え込み、季節の草々を咲かせて中流意識で暮らしている。このタウンの北側は緑の丘陵が続き、4ケ所の小公園には桜が咲き、道巾も広く、太陽の恵みを一杯に受けて、都会には珍しく恵まれた環境の街だ。

 よく鎌ケ谷は山も川も海もない殺風景な街だと人が言うが、新緑の公園、夏の蝉しぐれ、秋の落葉、冬の星座と、ここには四季のうつろいがあって、結構楽しく私は住んでいる。  ただ一つ物足らない思いは、ここが新住民の街で、未だ3年半の年輪。住む人もお互いによく知らない。従って道で挨拶を交す事も少ない。あと5年も立てば、この街にも古里と言える様なふれあいが育ち、庭木も育って、月日が一層住み心地の良い街にしてくれるだろう。

移り住みともしき木々の一もとに紅花みずき匂ひそめたり(潦)