Cityかまがや121号(2017春号)鎌ケ谷の自然を訪ねて120


鮎川昌澄さんと、 東武団地を歩く   写真と文 秋山秀一

 「東京音頭を紹介するときの、あのタイミングの良さには驚いたね~」  昨年の7月末、地元の自治会主催の盆踊り大会の日は、ちょうど、東京都知事選の日だった。  盆踊りの最中に、知事当確の知らせが入った。  そのときマイクを通してどのように言ったのか、ぼく自身は全く記憶に残っていないのだが、盆踊りで踊る東京音頭の曲の紹介と関連づけて、なんかちょっとは気の利いたことを言ったようだ。
 今回、一緒に歩いていただいた鮎川昌澄さんとは、何年か前のこの盆踊り大会での司会役が縁で、お付き合いが始まった。 「昭和50年に、鎌ケ谷の東武団地に移ってきました」  と言う鮎川さんは、今年の10月で満80歳になる。

 以前、南青山のギャラリーでぼくの写真展が開かれたとき、鮎川さんはわざわざ南青山の会場までいらしてくださった。また、東部公民館で行われたキプロスについての講演会(鎌ケ谷市国際交流協会主催)や、前回のこのコーナーで紹介した東武鎌ケ谷集会所で行われた「鎌ケ谷・新発見! 旅の楽しさを語る」にも、会場に足を運んでくださった。  ありがたいことである。
 実は、鮎川さんは20年以上に渡って、写真のサークルに参加して、写真の腕を磨いてきた。その成果は、毎年船橋で開かれるグループ展に出展され、ぼくも、ここ何年か、その作品を見てきた。昨年も、会場に展示された、自然、それも、花をテーマにした鮎川さんの作品を見せていただいた。  鮎川さんのお撮りになった3点の組み写真の素晴らしさに、感動したことを覚えている。

 それ以来、鎌ケ谷を一緒に歩きたいな~、と、思っていた。 「東武団地、最初に売り出したのが、4街区なんです。誰も住んでないと売れないっていうんで、最初に、ある一部は事前に建物を建てて、あとは土地だけで売りに出したのです。その販売事務所が今の集会所だったんです」 「東武鉄道が開発した大型の住宅団地で、人気があって、抽選会があったんです。角地を希望して、私は14番を引いて…」 「それが、当たったんですね」 「はい…。当時船橋に住んでいて、確か千葉県民優先というのもあったんです…」 「鮎川さんにとって、14番はラッキーナンバーですね」   と言うと、ニヤッと、鮎川さん。  この表情が、なんとも、いい。   

 鮎川さんは、元東武鎌ケ谷自治会長。 「最初の頃は、雨水は調整池に流して、汚水は処理場を造って…。その管理組合が先にできて、その1年ぐらい後に自治会ができたんです」 「ここができることになって、初富小学校ができたんですよ」  何度も一人で歩いた水がきれいな調整池の脇の道。今回は、地図を持って、鮎川さんとの会話を楽しみながらの、散歩。ちょっと、寒いけど、心は、ホッカホカ。

 鮎川さんは、鎌ケ谷での様々な活動にも参加している。それらの話をしていると、そこに、古川さんのお名前も登場する。  お2人の行動力に、感服。たいしたもんである。  話に出てきた場所を、地図を開いて、確認。これも、いい。 「鎌スタできたとき、歩いて行ったことありますよ。ダルビッシュが来た時も、行きましたよ」 「市内を歩いていて、印象が良かったのは?」 「貝柄山公園の、水が流れているところ、いいですね。それに東中沢ふれあい緑道のところも、いい感じですね…」 「囃子水。この前行ってみたら、神社の所から下りる道がふさがっている感じでしたね」
 最後は、〈ゾウさん公園〉で。 「これから、どしどし鎌ケ谷歩いてみようと思っているんですよ」  そういえば、ここで、ちょっといい話を1つ紹介することに…。

 ご近所にお住いのKさんから、「この前集会所で秋山さんのお話を聞いた人たちが、さっそく、『旅に出かけよう』っていうことで、何人か集まって、みんなで台湾に行ってきたんですよ。お知らせしようと思って…」
 うれしいね~。素晴らしい。  何はともあれ、旅に出よう! どこでもいい。鎌ケ谷も歩こう。  (旅行作家・元大学教授)