Cityかまがや127(2018年秋号)

鎌ケ谷の自然を訪ねて126

大津川緑道の、 今、を、歩く 写真と文    秋山秀一

 
昔は、よくKさんと一緒に自然を訪ねて市内のまち歩きを楽しんだ。いろいろなところを歩いたが、よく考えてみると、ずいぶん前に、一度歩いたままになってしまっている、そんなところも、ある。  同じ場所でも、季節によって、自然の風景は変わる。まして、それが、20年も、30年も経ってしまうと、大いに違っているにちがいない。自然が残っていないかもしれない。そのままかもしれない。いや、整備されて、自然環境がよりよくなっているかもしれない。
 そんなことが気になっていた。
 それを知るには、以前歩いたところを、もう一度実際に歩いてみるのが、一番。歩いてみるっきゃない。そうだ、今、どうなっているのか、見てやろう。というわけで、今回は、大津川に沿った道、大津川緑道を歩くことに…。  今回一緒に歩いていただいたのは、鎌ケ谷の自然についてもよく知っている、旧知の、Sさん。

★ ★★

「大津川は、この白幡橋を境に、下流側が一級河川で、上流側が準用河川なんです」
 ということで、鎌ケ谷市が管理しているのは、この橋の上流側。  そこに、大津川緑道がある。
 コミバスのバス停が、北部公民館前にある。ということは、市役所からここまで、ワンコインで来られる、ということ。
 歩き始める前に、まずは、橋の上から大津川を覗くと、  「アッ、カモがいる」
 カモの親子が、スーイスイ。
 「私も、初めて、というか、鎌ケ谷の河川でカモを見たの、初めてです」と、Sさん。  さらに、一羽のカモが、頭上を飛んで、大津川の上流側に、着水。
 大津川の流れを左に見ながら、上流側へと木道を歩いていく。  「水がきれいになっていますね」  と言うと、「泡が無いもん」と、Sさん。いい気分で、歩く。

 暑い日が続いた今年の、7月中旬。ここには風が吹いている。日陰。「涼しい」。これ、実感。  「朝と夕方、この木道、お年寄りの方が結構歩いてるんですよね」  と、Sさんが言うと、その直後、歩いてきた人が、すれ違いざま、「こんにちは」と、ひとこと。  これも、いい。  カモが3羽、飛んで行った。
  カモを探して、水辺を覗いたSさん、「カモ、いますよ」と言って、その後、「シオカラトンボがいた」、  と、大喜び。  木道を歩きながら、植物観察。紫色の花を見て、Sさん、「形はサルビアに似てるんですけど」と言い、ピンクの花を見て「葉っぱがオシロイバナに似てますね」。  花の名が、パッと出なくても、いい。自然をそのままに、感じながら歩く。それが、いいのだ。
 大きなクスノキがあった。
  「昔、こういう所で、カブトムシ捕りましたよね」  土の道には、セミが出てきた穴が、あっちにも、こっちにも。 「これは、すぐにわかります。マリーゴールド」と、Sさん。  その花の周りを、モンシロチョウが、ヒラヒラ飛んで、花にとまった。花の蜜を吸いだしたところで、Sさん、人差し指をチョウチョウの前に、ゆっくりと差し出す。
  北部小学校の方から、女の子と黒い日傘をさしたお母さんが一緒に歩いてきた。 「いつも一緒に歩いているんですか?」  と声をかけると、  「たまに」  と言い、そのあとすぐに、  「お水の音を聞きながら…」

 学校の帰りに、水の流れる音を聞きながら、お母さんと一緒に水辺の道を歩いて、家路へ向かう。素晴らしい。いいな~、と、思う。  こんな素敵なことに、鎌ケ谷市内で出会うなんて…。 (旅行作家・元大学教授)

▶カモがこのあたりに… ▶大津川にカモの親子が… ▶シオカラトンボ ▶水の流れる音を聞きながら、お母さんと一緒に、水辺の道を歩く