Cityかまがや129号(2019年春号)

鎌ケ谷の自然を訪ねて128   鎌ケ谷の中に、柏が…。      写真と文 秋山秀一  

「この建物の半分と、道路の半分が、柏市なんです」 「どっちが?」 「島みたいに、飛び地になっているんです」  はて…、鎌ケ谷に飛び地…?。

 今回も、Sさんと一緒に、鎌ケ谷のまち歩きを楽しむことに。

 市立体育館の先、「ぜんなみ」の辺りを歩いているとき、Sさんが、言った。
「今いるところも…。実は、そこのお堂の所から柏市ですね」
 鎌ケ谷市の中に、柏市の土地がある。この土地、元は沼南町だった。沼南町が合併して柏市になったため、鎌ケ谷市の中に柏市が存在する、ということになったのだが、知らない人、多いんじゃないかな~。
 Sさん、手を広げ、 「この辺りが、柏市との市境です」  と、嬉しそうに。 「ここからは私の散歩コースで、ここに出てくるんです」
 左折して、Sさんお気に入りの、落ち葉の
ある無舗装の道を、いつもとは逆方向に、歩き始める。

  「ここは、秋には、この砂利が見えないほど、落ち葉のジュータンになるんですよ」  サク、サク、サク。落ち葉を踏みしめながら歩く。いい道だ。途中にベンチが2つ。これも、いい。 「夏は、ここだけ葉に覆われて、涼しいんです。歩いてくると、ホッとするんですよ」

 落葉広葉樹の森、鎌ケ谷の自然の風景が、ここには残っている。 「この先は、鉄道マニアには撮影ポイントとして、知られたところなんです」  そのポイントに立ってみる。その後、北総線に沿った道を歩く。 「この先、ニュータウンで地下になるんです。時速160㎞で走っていたスカイライナーが、ニュータウンを走るこのトンネル内は時速180㎞で走るんです。これは国内私鉄で最速なんですよね」  へー、そうなんだ。 「スカイライナーに乗って成田方面へ行くと、車内アナウンスで説明があります」とのこと。  鉄道知識、ひとつ、ゲット。

 歩いていると、陸上競技場のそばに、何やら見晴らし台のようなものが…。でも、向いている方向が、競技場の方ではなく、道路の方だ。その道の向かい側にあるのは、北総線の線路である。  この見晴らし台、実は、「鉄道ファン向けの見晴らし台なんです」とのことで、この見晴らし台から望遠レンズで鉄道写真を撮る鉄道ファンが結構いるらしい。

 粋なことやるね~。ダイヤモンド富士のときの、市役所屋上一般開放や、こういったこと、あまり目立たないけど、鎌ケ谷市をよりよく知ってもらう、ということでは、大事なことなんだと思う。  見晴らし台に立って、「電車来ないかな~」なんて言っていると、ほんの数分後に、スカイライナーが東京方面へ走っていった。で、慌ててカメラを構え、パチリ。

 1月中旬。午後4時20分過ぎ。 「あれ、新しい車両ですね」  相互乗り入れしている都営地下鉄の新しい車両が、走っていった。  陸上競技場は、今、工事中の真っ最中である。 「工事が済むと、公認コースになるんです。これからは、ここでの記録が公認記録として認められるようになるんです」   と、Sさん、嬉しそうに。 「今まで、船橋とか周辺の市でやっていた中学生の大会なんかが、ここで、鎌ケ谷でできるようになるんです」  感性のいい友と、市内を歩きながら、自然を感じ、明るい未来を語る。気分よし。幸せだと思う。 「夜、暗い時この道を歩いていると、電車が通過するとき、その明かりで照らされて、一瞬別の、違う世界に入り込んでしまったように感じるんですよね。桜が咲いてるときなんか、最高です」  とのこと。では、次回は、桜の咲いているときに歩くことに…。 訂正とお詫び 前回イヌタデ→(正)イヌシデ (旅行作家・元大学教授) ▲ここが、鎌ケ谷と柏の市境です ▲秋にはこの砂利が見えないほど、落ち葉のじゅうたんに ▶鉄道ファン向けの見晴らし台 ▲見晴らし台からパチリ。スカイライナーが東京方面へ走っていった