ホームページ
62号 キャッチアップ

鎌ヶ谷市立東部小学校用務員
星井捷太郎さん

[花育ては心育て]


ぷろふぃーる

星井捷太郎
(ほしい・しょうたろう)

出身地:宮城県
  
 昭和15年2月29日生まれで4年に一度の誕生日。鎌ヶ谷在住30年。自治労連千葉県本部現業評議会・用務委員会委員長として、用務員の地位向上、職場の一員としてのあり方などについて研究するなど、リーダーとして活躍。


 四季折々の花を咲かせて

 ―毎年すばらしい桜を咲かせて卒業生を送り出しているそうですね。

 はい。不要の枝を採っておいて、今年はピンク色に染めてみました。太陽の光に当てないと桜はピンクにならない。今年は桜が早く咲きましたから、それほど珍しくなかったでしょうが、いつもは早めに咲くようがんばっています。

―学校中花いっぱいですね。

 プランターが中心ですが、学校の行事にあわせながら、そのとき最高な状態の花が咲くよう計画的に作っていきます。

―今はパンジー、桜草、ノースポール、菜の花ですね。

 今年は麦、失敗しちゃいました。今頃麦の穂が出ている予定だったんです。その年の気温によって成長も違うので難しいですね。

―それが生きているっていうことですよね。子ども達にとってとてもいい情操教育になっているのでは。

 きれいな花にふれることによって、すさんだ心も癒されやさしくなれるでしょう。自然や物を愛する気持ちも育ってくると思います。だから観察池では鯉
を。飼育小屋では動物も飼っているんですよ。
ここの池の鯉は歌を歌ってやると集まってくるんだというと、一年生など本気にして、一生懸命鯉に向かって、歌っていますよ。

―どんな動物がいるのですか。

 いちばんの特徴は孔雀かな。今の季節6月くらいまではしょっちゅう羽を広げていて、きれいですよ。一度逃げ出したことあってね。近所の人たちと一緒に探して、畑のほうで、見つけました。この話題はラジオでも放送されたこと、あるんですよ。そのほかにわとり、文鳥、はと、チャボ、うこっけい、などを飼っています。

―誰が世話をするのですか。

 飼育委員会の子どもたちが、餌をやったり、花に水をやったり、できない部分を私がやっています。
夏休みも3時過ぎに水やりに来ます。近くに住んでるんでその点便利です。

―どんなことが大変ですか。

 動物は衛生面とえさ代が大変かな。花は土作りが大切ですから、花が終わるとプランターの土を全部入れ替えて、捨ててしまうのではなく、またそれを再生させて使っていきます。牛糞たっぷりと腐葉土、石灰をよくまぜて。花の種もできるだけ採って、翌年に備えます。でも、桜草の種10年使っていたら、芽が出なくなりました。予算がありますから、安くて、開花時期の長いもの、後は色合い、プランターに入れるので、背丈の低いものを選びます。


 環境の整備が仕事


―用務員さんの仕事内容は。

 環境の整備とその他の業務ということなんですが。

―たとえば。

 学校の敷地・施設・設備の補修、危険箇所の点検整備、小動物の飼育管理、植物の栽培管理、病害虫の駆除、施設周囲の除草など多岐にわたっています。

―戸締りや来客へのお茶だし、お掃除など?

 はい。もういろいろ。頼まれればなんでも。廊下の掲示板や渡り廊下も100枚くらい作りました。この校長室の額を飾っているこの板も作りました。杉板焼いて。そうそう放送室も囲いを作って、皆で協力して部屋にしました。木の剪定、花壇の柵・ブロック〜

―なんでも器用にこなせないといけないですね。

 やっているうちにいろいろ覚えますから。先生方や子どもたちに喜ばれることが一番うれしいことです。

 学校は地域のセンター



―用務員さんになろうとした動機は。
 
 先日NHKでも紹介されていた宮城県の小学校の出身です。田舎なんですが、「日本一長い廊下のある学校」と報道されてました。
兄がそこで用務員やってましてね。私も教育にいくらかでも役立ちたいなと思って。もちろんどんな仕事をするかわかっていて、やりたくてこの仕事を選びました。36歳からです。
東部小に来て、26年になります。その前は自衛隊や民間会社におりました。

―それで組合の方でも委員長として用務員さんの地位向上や職務研修に力をそそいでいるんですね。

 私は「安全・清潔・美的・信頼」をモットーに「誇り」をもって 仕事をしています。でも最近は用務員として採用するのではなく、たとえば給食の仕事から回されたりして仕事に誇りが持てない人が多い。市内の学校がどこも均一にレベルアップして、地域から愛される用務員でありたいと願っています。学校は子ども達の将来にかかわっているところ、地域のセンター的な場所ですから、私たちも地域に根ざした仕事をして、地域の皆さんとともに、子供たちを育んでいきたいなと思っています。
*    *    *


 東部小学校の垣根のまわりは花いっぱい。地域の人にも見てもらおうと門はいつでも開いている。四季折々の花が玄関前のプランターを埋め尽くしている。
「目配り、気配り、心配り」すれば必ず通じる、そんな信念でこつこつと誠実に26年。普通のことを普通にしてるだけと朴訥に語る星井さん。誠実そのものという感じの人である。ああしてほしいこうしてほしいという願い事をまるでまほうつかいのように器用にかなえてくれる、縁の下の力持ち。たまには脚光をあびてもいいのではとインタビュー。

 「星井さんはこの学校になくてはならぬ人。地域の皆さんとも懇意で、生き字引みたいな人。私はどんなに助けられていることか」と山田美保子校長。頂き物の胡蝶蘭の鉢を赴任先に持ち歩き毎年その花を咲かせているという山田校長は大の花好き。その鉢は毎年増えて10鉢もの花の世話を欠かさない。

 星井さんとの相性もばっちり。東部小は花いっぱい。笑顔いっぱいである。
用務員さんの仕事は主婦の仕事同様きりがない。手抜きもできようが、創造性と工夫が必要な仕事のようだ。
あと一年で定年とのこと。安全な環境で子供たちが学校生活が送れるよう、今日も星井さんは学校のどこかでー。

戻る