タウン情報誌 City かまがや    

連載エッセイ38気まぐれティータイム ★ 入院ネタ ★江上真悟 (俳優)

 「東京タワーの明りがキレイだ。こうして東京の夜景を見るのは久しぶりだなあ……。ワインおかわり!」――ん!?……何か違う。クラシックなんかもかかっていない。静まり返っている。……ここは何処だ! カーテンに仕切られたこの白い部屋は……?

 実はですねぇ〜、ここは7階の病室なんです。今日で入院5日目。早朝のスポーツ紙では「朝青 白鵬に力負け」「福士 甘過ぎた!!」「橋下氏圧勝」などという見出しが飛び交っている中、僕の見出しは「安静 点滴 流動食」(苦笑)。どうしたかって? ここで詳しく述べるのはやめときましょ。まぁ、ひと言で言えば……内臓の流血戦です。救急車での緊急入院。誰かが言ってた。「江上さんは病院とファミレスは似合いません」(納得)。

 しかし病室という空間も面白い。声のデカい威勢のいいオッサン。毎晩面会女とヒソヒソ話しをしている謎の男。死ぬんじゃないかという位のイビキ男。看護師相手にジョークの通じないKY男。このキャラだけでも一本芝居が出来そうだ。そんな僕らには共通の楽しい時間がある。食事タイム! それぞれがカーテンを閉めて、味っ気のない流動食をゆっくりと噛みしめながら味わう。少しでも満腹感を得たい為に……。フト食べ物の有り難さを感じたりして。皆それぞれの思いで黙々と……でも食べている物は皆一緒! 何故か可笑しい。

 ところで病院のスタッフにも「SP」ファンが多かったのは驚きです。僕曰く「すみません。警護するドラマの人間が介護されてしまって」――なんて事はいいませんよ(笑)。TVドラマの深夜枠での平均視聴率は「冬のソナタ」を抜いてトップになったトカ……。それにしても「SP」の最終話を病室で観て、「シティかまがや」の原稿も病室で書こうとは!  退院パーティーの為にも、今日も「良い子」にしています。