タウン情報誌 Cityかまがや91号 インタビュー
オペラ歌手    河内 夏美さん
芸術は心地よい風〜 鎌ケ谷の新しい風になりたい
  

鎌ケ谷生まれ、鎌ケ谷育ちの芸術家が育ち始めた。89号での松岡友子さん(チェンバロ奏者)についで、今回は東京での活動のほか、鎌ケ谷での地域活動に力を入れ始め、「こどもたちに生の音楽に触れる機会を!」とがんばっている河内夏美さんにインタビュー
ぷろふぃーる
河内夏美(かわうち・なつみ)1971年生まれ。3歳からピアノを始める。鎌ケ谷市立中部小学校・第四中学校を経て・八千代松陰高校卒。武蔵野音楽大学声楽科卒業。東京藝術大学音楽学部別科終了。二期会オペラスタジオ第43期終了。在学中より定期演奏会に出演。最近は数多くの演奏会、オペラに出演する傍ら、声楽やピアノなど積極的に後進の指導に努める。母校八千代松陰高校合唱部のボイストレーニング等も引き受けている。鎌ケ谷市在住。O型。好きな言葉「いいかげん」。
最近の活動 1994年、1996年、1998年ジョイントリサイタル2004、2006、2007、2008年ソロリサイタル。オペラでは「コシ・ファン・トウッテ」、「魔笛」「フィガロの結婚」等に出演。2007年3月鎌ケ谷市藝術鑑賞会川端康成原作創作歌劇〔童謡〕にて半玉の小蝶役、9月船橋市市制70周年記念公演にて、同歌劇の女中頭役を務める。2008年11月市川市にてオペラ「蝶々夫人」にて蝶々さんを務め、好評を博す。2009年5月、調布市にて「ドン・ジョバンニ」ドンナアンナ役

■ ピアノ大好き子供時代 ■

―音楽は子どもの頃から好きだったのですか。
 
音楽の先生になりたかったんです。ピアノは3歳から習っていたし、声は大きかったし。ピアノの先生も、母も厳しかったですよ。母は発表会の後は上手に弾けたね、といつもほめてくれました。それがうれしかったです。高校時代には近所の子どもや年の離れた弟にはピアノを教えていました。  大学出た後もいろいろ勉強に通っていましたから、「いつまでやるの」なんていわれて余計ファイトが沸いて。
―元気の良い子だったと思うのですが。
 児童会長やるくらい積極的な子でしたが、中身が伴わなくて・・。そのとき学びました。人前に立つにはしっかり勉強しなければと。それがあって今でも努力しないといけないと思っています。


■ 環境は才能を作る ■

―環境というか出合いがとても大切と思うのですが。
 
音楽を楽しむためには好きになってもらうことです。将来音楽家が育つだけでなく、音楽を楽しめるような環境づくりを手伝っていければと思っています。  音楽って心にゆとりがないとできません。生活を忘れるストレス発散。楽しむための娯楽。何でもいいんです。この鎌ケ谷でいい音楽を聴いたり、触れていただければ、きっと心豊かな人になってもらえるのでないかと思っています。小さいうちにいろんな体験させて「心震えるような、涙するような」感動体験をさせたいです。
―お子さんにはどんな体験を。
 
家族旅行が趣味ですが、外国もよくいきます。行くことにより、教科書で学ぶより、深くその土地を体験把握できるでしょう。   また虫取りが子どもは好きですが、毎年カブトムシの幼虫を育てています。自分自身はほとんど虫とは縁のない子供時代でしたが、息子と一緒にトンボも蟷螂もカブトムシも・・・図鑑なんかも見て私もいろいろおぼえました。  子育てでは「挨拶がきちんとできる」「ほめて伸ばす」ように心がけています。成績よりも人としてが大事だと思っています。

■ 親子でオペラに親しむ会 ■

―鎌ケ谷の子どもたちが生でオペラを聞くということは、とてもいい体験ですね。
 はい。昨年「親子でオペラに親しむ会」を立ち上げて、今年は2回目ですが、3時間のオペラを1時間ものにして、言葉も日本語で、わかりやすいものに仕上げました。2部は皆さんになじみのある歌曲や童謡を入れました。マイクを使わず歌ってたよ、きれいなドレスを着てた、など女の子たちは目をハートにして、身を乗り出して聞いてくれました。男の子のほうがちょっと退屈気味かな?そんな時、マナーを教えるチャンスでもあります。  0歳児から聞けるようにブルーシート席を設けたりしています。とにかく「生のクラシックを身近に」と言うことで、広げていきたいのです。泣いたらちょっと外へでていただければよいですから。
―鎌ケ谷市は文化度が低いといわれますが、希望が見えますか。
 確かに、鎌ケ谷って藝術の環境がゼロに等しいです。寂しいです。でも私が街の風になって皆さんの心を豊かにできるような活動を続けていきたいと思っています。  2006年からは毎年鎌ケ谷で私のソプラノコンサートを開くようにしています。だんだん聞いたわよ〜というお母さんたちも増えてきたので、うれしく思います。今年は10月11日東部学習センターで『椿姫』を上演します。
―オペラは上演にもお金がかかるのではないですか。
 東京あるいは船橋など違う場所でやるものをプラス鎌ケ谷会場みたいな形で持ってくるので大丈夫です。単独で舞台作品作ると大変ですけど。椿姫では私はヴィオレッタ役です。松本やすこさん(船橋在住)のナビゲーターで解説するので、初めてオペラを見る人でもわかると思います。

          *    *   *
 鎌ケ谷が村から町になり市になり、人口が増えてきた中で逞しい若者たちが増えてきた。生きるのに精一杯だった昔とは一味違う人々が育ってきているように思う。  今回出会った鎌ケ谷の新しい風はクラシックの風。生の音楽のすばらしさを感じてほしいと熱く語る河内さん。自分の育ったまちを住処に選んだひとりだ。育ったまちへの愛着、そして一歩進めて、もっといいまちに!という思いが伝わってくる。  音楽の裾野が広がれば、才能ある人も発見できる。もちろん音楽の楽しさ、心地よさを感じてくれるだけでいい。11月には母校中部小学校で歌い、合唱指導もする予定。本物の高音を出して生徒たちをびっくりさせたい、と楽しみにしている。