タウン情報誌 Cityかまがや91号

鎌ケ谷の自然を訪ねて
  「90回目、東中沢ふれあいの森へ」  写真と文  秋山秀一

 今回で、このコーナーも、90回目。街歩きを楽しみながら、3ヶ月に一度、鎌ケ谷市内の自然について、ちょっとしたことを書いてきた。毎回毎回身近な旅の中にも、新鮮な発見があるものである。
 以前、月刊『アジア倶楽部』に、「秋山秀一のアジアを歩く」を連載していた。残念ながら、68回目まで書いたところで、雑誌が休刊になってしまった。今、月刊『文芸広場』にヨーロッパについて、「旅で出合ったもの」を連載中で、これは、80回を超えた。ありがたいことである。

 同じように月に一度、ということでいえば、今、NHKラジオ第一放送「金曜旅倶楽部」の中の〈旅に出ようよ〉というコーナーに、毎月第一金曜日、プレゼンターとして、レギュラー出演している。
 放送は、午後3時33分から50分まで17分間の生放送。柿沼郭アナウンサー、石山智恵キャスターとの3人での、旅のトーク番組である。
 これは、今まで関わってきたほかの番組とはかなり趣がちがっている。この番組には放送作家というのが、いないのだ。カメラと取材ノート、それに録音機を持って、現地に一人で出かけ、街を歩き、取材し、インタビューをして、写真を撮り、音を録音。
 戻ってから、提案書を書き、番組の進行表まで、プレゼンターであるぼく本人が作成するのである。  旅をする場所まで、こちらが決めるのだ。途中、ディレクターとのやり取りはメールで何度か行われるが、柿沼さんと石山さんとの打ち合わせは無し。まさに、ぶっつけ本番、日本全国生放送なのである。

 参考までにこの4月からの放送内容を紹介すると、  4月3日は「安らぎの城下町を歩く」〜岡山県高梁市。  5月1日は「寅さんのふるさとを歩く」〜東京都葛飾・柴又。  6月5日は「SLと洋館、心和む町を歩く」〜栃木県茂木町。  7月3日は「栗と北斎、せせらぎの道を歩く」〜長野県小布施町。  8月7日は「蔵のまちを歩く」〜茨城県結城市。  9月4日は、石川県小松市について話し、今後は、10月が静岡県下田市、11月が山形県川西町について話す予定である。
 タイトルから分かるように、どれも、「…を歩く」ということになっている。番組の方は対象が日本国内各地、ということだけで、この「鎌ケ谷の自然を訪ねて」というのと、基本的なスタンスは、同じようなものである。
 お時間が合いましたら、毎月第一金曜日、NHKラジオ第一放送午後3時半のニュースの後、スイッチをオンに…。  前置きが長くなったが、90回目ということで、ぼくの旅にまつわる近況報告のようなものをさせていただいた。

 今回Kさんとまず向かった先は、以前歩いたことのある、東中沢ふれあい緑道。 「途中まではいいんですけど、その先が荒れ放題で…。この前来たときに比べると、ちょっと寂しい気がしますね。散歩道には使っているようだけど、管理がね」  と、嘆く、Kさん。  でも、嘆いているばかりではない。 「いいとこあるんですよ」  そう言って、向かった先は、東中沢四丁目ふれあいの森。

   看板、柵、ベンチ…、いやいや、遊戯や公園内に点在する芸術作品の数々(?)も、どれも、みんな、見るからに、手作りそのものなのだ。
 ちょっとした遊び心があって、とぼけたところがあって、でも、よく見ると、一つひとつ、よくできている。もちろん、しっかりしている。  驚いたね〜。知らなかった。こんな公園があったんだ。  ダルマストーブや壷なども置いてある。これは、見てもらうためのもの。 「これは、年寄りの仕事ですね。いい公園でしょう。」
 木に登り、ぶら下がり、飛び降りる。〈落葉再生コーナー〉のそばの木製遊戯で男の子が二人、遊んでいる。  これまた、頑丈にできている。
 子どもたちも、元気がいい。 「ベンチ、木造なんで、3年か4年で、作り替えて…、ペンキも自分たちでやってます。自治会のOBで、20人ぐらいいますから」 「アジサイ祭りとか、落ち葉祭りとか、今年は、アユの掴み取りもやりました」 「生きたポニーとかサラブレッドのおとなしいのをつれてきて、子どもたちに乗ってもらったり…」
 これら、資金はすべて、寄付金だという。市からの援助は当てにしていない。活動も、有志のボランティア。
 たいしたもんである。
 この空間は、イベント広場であり、昔どこにでもあった原っぱでもある。 「毎日、30人ぐらいは来てますね」  というのも、いい。 「こんなに生かされている広場って、あまりないですよね」  と、えらく感心して、Kさん。 「いろいろ言われてもめげないですね。それに、負けちゃダメなんですね。クソ爺にならないとダメなんです」 (旅行作家・日本エッセイストクラブ会員)