タウン情報誌 Cityかまがや94号

連載エッセイ47 気まぐれティータイム
「春スタート」         江上真悟(俳優)http://ameblo.jp/egamax/

 この原稿を書いている現在は、美輪明宏さん演出、主演舞台の本番真っ只中です。今回の作品は「近代能楽集」(三島由紀夫作)より「葵上」「卒塔婆小町」の二本立て。客席は連日大盛況!今年の春に75歳になられた美輪さんパワーは衰え知らず!そんな美輪さんの芝居作りは〈難しいことを易しく、易しいことを深く〉といったところでしょうか。早いもので美輪さんの舞台に出演して20年になります。 美輪 「あんたとも腐れ縁ね」 江上 「腐ってません」(笑)

 今回女優オーディションがありましたが、専門学校時代からの教え子が合格し出演しています。30歳近くなった彼女はやっと僕と同じ土俵に乗ることが出来ました。合格を知った時の彼女は涙ぐんでいましたが、これからが本当の意味でのスタートでしょう。  その専門学校の授業も本番中から始まりました。今年も全国から役者志望の若者たちが集まってきています。 江上「将来プロを目指している人?」全員の生徒が手を上げました。 江上「ではみんなの気持ちを信じて、その上で僕が関わっていいと思う人?」同じく全員が手を上げました。毎年この質問から江上クラスはスタートしています。まだまだ意識の低い若者たちをどう料理していくか――。まさにリハビリですね(笑)  ただ最近思うことは、そんな連中でも「言えば分かる者」が意外に多いということ。それは彼ら彼女たちだけの問題ではなさそうです。  今まで親や先生に何も言われないできたからかもしれません。つまり大人が何も言わなくなったのでは……。

 思えば美輪さんには芝居以前のことを色々鍛えられましたね。  美輪さんの芝居作りの続き――〈深いことを楽しく、楽しいことを真面目に〉やっていければ……。どの世界も一緒でしょう。  さて春の次は夏――また歳をとる(笑)