季刊 タウン情報誌 Cityかまがや96号

鎌ケ谷の自然を訪ねて95
「 新京成高架橋から見る風景 」 写真と文 秋山秀一

 この「鎌ケ谷の自然を訪ねて」を書くために、二十数年間に渡って、鎌ケ谷市内を歩いてきた。長く相棒だったKさんが卒業してからは、一緒に歩く相手もその時々によって、その道に詳しい人に登場願っている。 「今度一緒に歩きましょう」  都市計画課のTさんとも以前からそんな話をしていた。  歩く場所の選択はTさんにオマカセ。  で、選んでくれたのは、 「鎌ケ谷市内についてお詳しい秋山先生でも、今までご経験ないようなところを考えてご案内したいと思いまして」  ということで、今回は、現在進行中の「新京成線連続立体交差事業」の、すでにできている高架橋の上から鎌ケ谷市内を見てみようということになった。  そして、さらに、 「よろしかったら、市川駅前にできた高層ビルの上から鎌ケ谷を見てみたいと思うのですが…。市の外から鎌ケ谷を見てみるのもいいかと思いまして…」  とのご提案。 「それは、いい。是非そうしましょう」  と、そく賛同する。  市川駅前にできた高層のあのビル、気にはなっていたけど未だに上ったことがなかったところなので、ありがたい。

 市役所で最も鉄道に詳しいYさんも一緒に、まずは、新京成鎌ケ谷JV工事事務所を訪れ、工場長のH氏と合流。  ヘルメットをかぶり、軍手をして、チョッキを着た。  チョッキは、黄色のビニール製で蛍光塗料が塗ってある。 「これ何て言うんですか」  と、いつもの癖で、尋ねると、 「通常だと、トラチョッキですね」  と、H氏。トラチョッキとは、うまい言い方である。  そのHさんの案内で歩き始めた。 「新京成の高架橋を支えている柱は、角が丸いんです」  そう言われて、初めて気がついた。 「柱の間隔は八mです」  高架橋の外観を見てから、上にあがることに…。 「頭に気をつけてください」  そう言われていたのに、「ゴツン」。階段を上るときに頭をぶつけた。ヘルメットがありがたい。 「ここでどのくらいの高さがあるんですか」 「ここで、七mぐらいですかね。ほかは八mぐらいあります」  たったこれだけ上っただけで、見る風景がちがってくる。
 初富駅方向へ、レールのまだない高架橋の上を歩く。 「この上に箱のような基礎を作って、そこに線路をはめます。コンクリートの上に直に。メンテナンスフリーなんです」 「『高欄』の高さはレール面から一・五mあります」 「緑色のボルトのついたのは電力柱です。北総線は外に柱が出ているんですけど、最近のは内側について、スマートになっています」 「新京成の車両の長さは十八mなんです。東武は二十mありますけど…」  高架橋の上から鎌ケ谷の風景を眺めながら、いろいろな話を聞いた。
 三段の「お立ち台」の上にのぼると、見晴らしはさらに良くなる。 「ここからは工事現場の全体が見渡せるようになっているんです」「高くのぼると、鎌ケ谷にはまだ緑があるように見えますね」 「カン、カン、カン」  下に国道四六四号線、その踏み切りを新京成電車が通過していく。  工事が完成すれば、こんな音を聞くこともなくなるのだ。
 高架橋の上からどんな風景が見えたか、それは、この連続立体交差事業が完成して、電車が走るようになるそのときまで、お預け。早く事業が完成すれば、それだけ早く見られる、ということに…。  線路が敷かれ、営業開始の前には、当然、「レイルウオーク」も行うのだろうから、それを楽しみにお待ちください。今回は、高架橋の上から撮った写真を見てもらう、ということで…。
 この後、市川駅前の高層ビル、アイ・リンクタウンへ向かった。四十五階の展望ロビーは、地上百五十m。直通のエレベーターで一気に展望ロビーへ。無料。ここからは、江戸川の流れ、そして、鎌ケ谷の森も見ることができる。 (旅行作家・東京成徳大学教授 観光文化学科長)