<季刊>タウン情報誌 Cityかまがや97号 「鎌ケ谷の自然を訪ねて」96

富士山が見えると、何かいいことがあるような・・写真と文 秋山秀一

「今、日本テレビに鎌ケ谷が出ていますよ」  昨年の七月十七日に開かれたスカイアクセス開業イベント「新鎌ケ谷えきフェスタ」で一緒にトークショーを行った秋山隆さんから、こんな電話をいただいた。  一月中旬のことである。  その後、連日、鎌ケ谷スタジアムがテレビに映し出されることになったが、それも、一月三十日までのこと。まあ、何につけ、地元鎌ケ谷がいろいろなメディアに取り上げられた、ということは、悪いことではないと思う。  秋山さんとのあの時のトークショーで、市役所屋上からの眺めのことを話題にしたのも、いろいろな人に鎌ケ谷を知ってもらうために何か、アピールするものはないかと考え、そのいわばリードみたいなものとして、 「市役所の屋上からの眺めを、もっと楽しもう」  そんな機運が少しでも高まればいいなと思ったからだ。
▲東京スカイツリー
 で、ここで、再度、市役所屋上からの眺めをチェックすることに。  一年前に比べて、注目度がぐっとアップした鎌ケ谷。  市役所の屋上にのぼって、ぐるっと歩きながら眺めてみると、そこから見る風景のなかで大きく変わったのは、成田スカイアクセスの開業により新型スカイライナーがすぐ近くを走るようになったこと、それに、東京スカイツリーが右隣に見える富士山よりも高く見えるようになったことだ。  テレビの話がでてきたから、というわけではないが、市役所の屋上階でエレベーターを降りたところに、なぜか、テレビを発見。それも、回転式のチャンネルがついたかなり旧式の年代物。 「なんで、ここに?」  同行していた市役所の職員のみなさんと、楽しいテレビ文化論。
▲成田へ向かって新型スカイライナーが行く
 屋上への出口の扉の所で、年配の女性二人と出会う。 「屋上にあがれるんですか」 「はい」  屋上へ出られるとは知らなかったようだ。  これも何かの縁、ってな感じで、屋上で話を聞いた。 「今日は暖かくていいと思って来たんですけど…。昨年はよく見えたんですよ。今年は、あまりよく見えませんね。スカイツリーまで行けないから、ここで満足しなくちゃ…」 「屋上いいでしょう」  「いいですね。知らなかったです」 あいにくこの日は見晴らしがあまり良くなかった。 「また来ますよ」  実は、林丸さんと横山さん、このお二人、今まで何度も、市役所の上にのぼったことがあって、喫茶室にもよく来るのだという。 「今まで何度も来ていたけど、初めて屋上にのぼった」 「何回来てもいいですね。富士山なんか見ると、すっきりするもんね。何かいいことがあるような気になるんですよね」 「今度、また、寒いときに来てみよう。カフェで二時間ぐらいゆっくりします」  パンフレットに載っていた富士山と東京スカイツリーが写った、市役所の職員が撮った写真を見て、是非来たいと思って、二人でやってきたのだという。  こういう話を聞くと、こちらも、いいな〜と思う。と、突然に、林丸さん、ぼくを指さして、 「この人、どっかで見たことあるな〜って思ってたんですけど、そう、写真で、見たことある」  ここで記念写真を撮って、お別れ。
▲ 屋上からの眺めいいですね。また来ます

その後、Oさん、Sさん、Tさん…との楽しい会話。 「遠景って、向こうの天気なんですよね。こちらが暗くても、向こうが明るいと、富士山がよく見えるんですよ」  ということは、この日のように、こっちがいい天気でも、向こうの天気が悪いと、見えない、ということになる。 「いい天気だからって、見えるわけではないんですよ」 「何度も屋上にあがって、わかっているんですけどね」  この日もまた、富士山ははっきりとは見えなかった。でも、市役所の屋上、いいんだよな〜。また、来ようっと。 「玄関入り口に『今日は富士山がよく見えます』なんて案内板出したら…」  と、Sさん。これ、いい案だ。 (旅行作家・東京成徳大学教授  観光文化学科長)