Cityかまがや99号

大震災と縄文人」A    絵・サリーちゃん  文・鉄人28号

 今号も東日本大震災関連から、放射性物質及び液状化現象と、考古学に纏わるお話である。
 某百科事典によると、放射性物質とは、放射能を持つ物質の総称で、ウラン、プルトニウム、トリウムは人為的に取扱われる核燃料物質として良く知られている。 自然界にも多種多様な放射性物質が存在する。太陽や恒星から降り注ぐ宇宙線(中性子)は、大気中に含まれる原子や人工物に吸収されて放射化する。

 例えば、炭素14は、空気中の窒素原子が宇宙からの中性子線を吸収して自然に生じ、直後に酸素と結合して二酸化炭素となり大気中に拡散する放射性物質である。  前号でも触れたが、これらはいずれも時間とともに崩壊する、というほぼ共通の性質を有している。  放射性ヨウ素131の半減期が8日余りであることは、今回の事故で広く知られることとなった。

 さて、炭素14は、ほぼ一定の濃度で大気中の二酸化炭素に含まれており、光合成によって植物に取り込まれ、食物連鎖で動物にも広まっていく。生物が死ぬと二酸化炭素の取り込みが途絶えるため、遺体中の炭素14はその時点から約5730年の半減期で減り続ける。
 したがって、遺体に残る炭素14の量から年代を推定することが出来る。この放射性炭素年代測定原理を1947年に発見したシカゴ大学のリビー博士は、1960年にノーベル化学賞を受けた。

 絶対年代を必要とする考古学にとって、放射性物質の性質を応用したこの年代測定法は、不可欠の自然科学として重用されている。
 また、液状化現象が浦安市をはじめ県内の埋立地で起き、地盤沈下による被害が報道された。 本市では未検出であるが、低地に立地する遺跡を発掘すると液状化の痕跡が発見されることがある。 遺跡には時代を示す遺物が含まれているので地震に関する歴史資料と対比させて発生年代の特定や将来の地震の予測が可能となる。
 災害も歴史の一幕である。考古学の役割とは?と今更ながら思う。