タウン情報誌 Cityかまがや99号

連載エッセイ52 気まぐれティータイム
「終わり」         江上真悟(俳優)http://ameblo.jp/egamax/

 1999年3月――俳優のトレーニング場として、チーム「ONESELF」が始動しました。キッカケは当時の若い役者たちからの強い要望からです。その方向性としては、定期的に募集する養成所でもなく、年に何本か芝居を打つ劇団でもなく、あくまで役者のトレーニング・チームとしました。日常のトレーニングの必要性からです。
 秋田の角館や千葉の養老渓谷で合宿をしたこともありました。その時ある役者が「合宿ではどんな稽古をするんですか?」それに対してこう答えたもんです。「折角東京を離れるんだから、芝居のことなんか忘れよう」。舌癌と闘う女優への応援ステージをやったこともありました。生演奏をつけて「葉っぱのフレディ」を群読させました。ご両親の涙を今でも忘れません。
 年末の忘年会は「望年会」としてやりました。良いことも悪いことも忘れてはいけない。年忘れのお酒ではなく、望む年に向けてという思いで…。多くの若者たちに色々なことを語ってきました。いや、というより同じようなことを繰り返し、繰り返し…。そのチーム「ONESELF」が12年間の幕を閉じました。稽古場の近くには隅田川と東京スカイツリー。当たり前のことですが、始まりがあれば、必ず終わりはあるということです。

 終わりといえば、6月をもって「愛の讃歌」(美輪明宏演出・主演)の全公演が終了しました。1ケ月間の東京公演の後、今年の全国公演は富山→名古屋→広島→福岡→大阪→神奈川→新潟→山梨→長野→石川→静岡と回り、大千秋楽は沖縄でした。今年も美輪さんパワー全開!各都市の大劇場は大盛況!76歳の美輪さんは聖なる怪物です(笑)
 思えば美輪さんの演出・主演シリーズは1993年の「黒蜥蜴」からスタートしました。美輪組の出演も18年となりました。今では「美輪組の番頭」から「裏のドン」と呼ばれていますが…(笑) これもいつかは―いや、美輪さんだから終わりはないかな…。