Cityかまがや99号   鎌ケ谷の自然を訪ねて98

鎌ケ谷高校の周辺を歩く     写真と文  秋山秀一

 この季刊タウン情報誌『Cityかまがや』も、今年で25周年を迎え、次号で、100号となる。その間、ずっと、年に4回、自然を訪ねて、Kさんはじめ、いろいろな人たちと鎌ケ谷を歩いてきた。
「次回は、誰と、どこを歩こうかな〜」
 そんなことを考えるのも、年に4回の、ちょっとした楽しみになっている。
 いろいろな出会いの中から、今回は、鎌ケ谷高校の周辺を歩こう、ということになった。
 一緒に歩くのは、鎌ケ谷高校料理研究部の一年生4人と、顧問のI先生。
 鎌ケ谷高校は写真部など、クラブ活動も盛んで、全国大会への出場や優勝等、輝かしい歴史をもっている。その中にあって、料理研究部の実績も見事なもの。以前、この『Cityかまがや』でも大きくとりあげられたことがあるので、ご存知の方も多いのでは…。

 7月末、暑い夏の日の午後、鎌ケ谷高校にI先生を訪ねた。
 家庭科室は、工事中。さっそく校庭に出た。  
今回のテーマは、当初、「鎌ケ谷高校周辺の食べられる野草を探して」というものだった。が、季節がら、まあ、あまり固く考えずに…、ということで、鎌ケ谷高校周辺の食べられる植物を求めて、4人の一年生と一緒に、歩き始めることに…。
 何といっても、これからの鎌ケ谷の将来は、若者にかかっている。この「Cityかまがや」に鎌ケ谷高校の生徒さんたちに登場していただく、ということは大いに意義のあることなのである。

「学校に来るところの交差点の周りが新しくなって、大きな榎の木がまるで鎌高の守り神のように大切に残されているんです。学校の中に栗の木があって秋になると食べられるんです。あっ、そうそう、一年生は栗拾いしたことないよね」
 と、I先生が言うと、
「はい」  と、答える、生徒たち。
「秋になると、いっぱい採れて、おいしいの。鎌高の栗、売っている栗よりおいしいの」
「料理するんですか?」
「栗ご飯つくるの」
 栗ご飯と聞いて、食べてみたいな〜、そんな表情の生徒たち。
「あれが栗、なっているでしょう。採るときは、落ちているのを踏んで割るの」
 校庭の東側、藪の中に栗の木があって、実がなっている。その先に東武電車の線路。電車が通り過ぎていく音がする。
「モップ持ってきて採ったり、ここ上ったりして…」
 と、I先生が一番楽しそうに、いかにして栗の実を採るか、話していた。
「あれ、垂れ下っているのがあるでしょう。あれが葛」
 いかにして葛の根っ子からデンプンをとるか、さらに、葛餅やわらび餅の話をしながら、校庭の南側、テニスコートのそばへ歩いていった。そこに、桜の木。
「この大島桜、花は八重で、小さくて、可愛らしいんだよ。ソメイヨシノとはちがうの。これを料理部は摘みにきて、花を採って塩漬けにするの。桜湯って、知ってる?結婚式の朝に飲むの」
 I先生の話に聞き入る生徒たち。
「この葉っぱも塩漬けにして、桜餅に使うの」
「桜餅つくるんですか」
「つくります」
 野球部の生徒たちが、炎天下、大声を出して、ベースランニングをしていた。
「料理部が野球部のために料理もつくったんです。鎌高の野球部強いんですよ。今年は4回戦までいったんです」
「それって、やっぱり、料理部効果ですよ」
 そんな会話を楽しみながら、鎌高脇の小川のそばへ。  ネコがいた。
「カマネコって言って、生徒たちが可愛がっているんです。あの子は、ニャンキチって名前も付いているんです。十歳なんです」
「鎌高のアイドル、ですね」
 門を出て、工事中の妙蓮寺下へ。
 崖の途中にそびえる大きな榎の木を見上げながら、I先生がこの木にまつわる話をした。
「みんなどうだった、今日?」
 I先生のこの一言に、生徒一人ひとりが、次のような感想を言った。
「今まで知らなかったこととか、たくさん知れて良かった」(桃音さん)
「鎌高にきて、周りにこういう食べられるものがあること初めて知りました」(明菜さん)
「栗拾い楽しみです」(貴愛さん)
「初めて見る学校の周りの豊かな自然に驚きました。いつか山に入って、葛を採ってみたいと思います」(睦月さん)
〜 (旅行作家・東京成徳大学教授 観光文化学科長)〜